もじゃ日記(ユズの香り)

感想とか諸々を。

#1 精神障害者がデス・ストランディングで救われた話

※今回のこのブログはゲーム内容のネタバレを含みません

 

 

皆様こんにちは。

突然ですが、ゲームをクリアしました。

2019年にリリースされた「デス・ストランディング」です。

実はやり始めたのは、2022年の5月。

その時から、これは面白いとは思ってたのですが、いかんせん先が長過ぎる…と思い、ずっと放置する事丸1年。

私自身が、ゲームをするなら誰かと一緒に遊びたいと思うタイプなのでシングルプレイヤーのゲームは「面白そう」と思ったものをセールで買っては積むという謎の行動をしがちなので、これも例に漏れず放置していました。

(じゃあ買うなよという話だがゲームは積んでも腐らないという個人的理論に基づきます)

 

私が遊んだのは、ディレクターズカット版。

PS5用に向けて、コントローラーの振動や音、ゲームの一部を調整してリリースされたバージョンです。

中古のディスク版で3500円ちょっとぐらいのを買ったのですが、当時まだPS5本体が全く市場に流通していない頃だったので、各販売店でずっとPS5本体抽選販売を行っていた頃でした。

私は自分のPS5本体はこれを買う1年弱ほど前に(めちゃくちゃ抽選応募しまくって)ゲットしていたのですが、友達が当たらない…と嘆いているのを見兼ねて私が2台目を当てて友達に渡してあげようと思い、各販売店のアカウントで購入履歴を作っていたのです。(何か購入していた方が当選確率が上がるので)

その一環で、ここのストアでは何買おうかなーと悩んでいた時にたまたま目に入ったのがこのデスストでした。

そんな適当な出会いだったので、絶対クリアするぞ!というほどの気力はありませんでした。

 

話は変わり、私自身の話です。

タイトルにもある様に、私は精神障害者です。

障害者手帳も持っています。

病名は「双極性障害」。

端的に言えば躁うつ病です。

感情の起伏のコントロールが出来ず、1ヶ月ほどの躁状態を経験して、数ヶ月の鬱状態が訪れるという、波のある病気です。

病名が付いたのが、2021年の夏。

それまでも、思い返せば中学生頃から気分の波がずっと続いていました。10代で発症する事も珍しくないので、恐らくその頃からずっと病気を抱えていたのでしょう。

今までは波があっても、どうにか通学もして会社も通っていました。

それが2020年のコロナ禍で、友達、家族との繋がりが薄れて、今まで以上に波が大きくなりました。

それでも、どうにか仕事を続けていました。

それが、プツンと切れた様に今までに経験した事のない大きな鬱が襲ってきました。

今まで「楽しい」と思えていた事が、全く楽しめなくなりました。

その最たるものが、後輩達とディズニーシーに遊びに行っても楽しいと思えない。あんな楽しい!しか詰まってない場所が、楽しくない。

これは流石におかしいぞ、と思い受診に至った所でした。

現在は、国立の精神専門病院に通っています。

 

まぁ、経緯はこんな所です。

それで、今まで休んだ方が良いとずっと受診当初から言われていたのを無視して仕事を続けていたのですが、遂に1ヶ月ほど休職をする事にしました。

それが4月の中旬から。

職場のゲーム好きな人から「休みの間何するの?」と聞かれた時に、「何か一個ゲームクリアしたいです」と答えていたのですが、何やろうかとはぼんやりとしか考えていなかったです。

 

休みの最初の1週間は、ほぼ睡眠に取られていました。一日20時間寝て、少し起きてまた眠る。

そうなると、当然体内時計は滅茶苦茶になります。

夜中の2時に目が覚めて、外から鳥の囀りが聞こえる頃に眠る。

そんな日々でした。

段々、何も生産性の無い毎日が辛くなり、私は一体何をしているんだろうと虚しくなりました。

次第に、仕事の仲間達や友達と繋がっているTwitterを見るのもしんどくなってきました。

みんなは仕事をして、その分の休みに楽しい事をして毎日誰かの為に生きている。

そう思うと、自分の存在が酷く醜くて、恥ずかしくなりました。

何も生み出せないのなら、存在しないで良いんじゃないか。

誰の役にも立たないのなら、居なくても良いのではないか。

ついでにもう一つ言うと、私はLGBT+の一人です。ネットの世界ではカミングアウトしています。

今でも腹が立つのが、以前ある自民党の議員がLGBTの人の事を「生産性の無い」と発言した事があります。

当時猛抗議をされ、大きな話題になった話です。

そんな奴の言う、「生産性の無い」人間に、私は本当になってしまっているのではないか。

そう思えて、とても苦しくて辛かったです。

 

ぼんやりと無力感に襲われながら生きていた時に、たまたま目に入ったのが、デス・ストランディングのソフトパッケージに居るノーマン・リーダスでした。

そういえば、私は洋画を観るのが好きだった。

このゲームの作者の、小島秀夫監督も確か相当な映画好きだったな。とふと思いました。

もうほとんど覚えてないけど、ゲームの内容は「繋がりを作り直す事」だった気がする。

それと同時に、配達の仕事をするゲームだった様な気もする。

「生産性のない」私には、ちょうど良いかも。

そう思い、コントローラーを握りました。

TwitterやインスタなどのSNSを見るのをやめて、私は「世界との繋がりを断ち」、「世界を繋ぐ事」を始めました。

なんて相反する事をしているんだろうか。ちょっとおかしいなと思いながら、主人公のサムと向き合うことになります。

非常に複雑な経緯を辿り、私はこのゲームに再び、辿り着きました。

2回目のゲームスタートです。

 

 

次回からは、デス・ストランディングの内容に触れながら、感想を書いていきます。

ネタバレにも大きく触れるので、今後遊ぶ予定のある方や、興味があってネタバレを防ぎたい方は閲覧にお気をつけ下さい。

 

それでは次回に続きます。