もじゃ日記(ユズの香り)

感想とか諸々を。

#2 睡眠障害者の解説・考察するリズムゲーム「MELATONIN」

 

さて、前回のブログでゲーム内容の解説を行いました。

 

今回は、誠に勝手にゲームの、というか主人公のパーカーのお兄さんについて考察しようかと思います。

元々言葉でストーリーがないゲームなので、完璧な妄想です。きっと「作者もそこまで考えてないよ」みたいな事も入ってると思いますのでよろしくお願いします。

 

 

 まずいきなり、第4夜のお兄さんについて。

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今までの夜のお兄さんは、何かをしていた所に寝落ちしていて、その時の夢の中という様子でゲームが進行していました。

今回のは、お兄さん目が開いています。

そして、足元に大量に転がっているエナジードリンクの空き缶。

ここから推測できるのは、「どうしても起きていたいけど思考が完全に落ちていて夢をみている」という状況かと。

ちなみに、この空き缶の量のエナジードリンクのカフェイン量は相当かと思います。耐性については個人差がありますが、ここまでいっぺんに飲んだとすると、カフェイン中毒症状が出てもおかしくないでしょう。

下手すると、死ぬ量かもしれません。

「これ以上飲んだらヤバい」という理性も外れてしまっている状態であり、相当な状態かと思います。

もしかすると「死んでもいい」という気持ちもあるかもしれません。

 

そして、この第4夜に出てくるのは「ストレス」という夢と、「過去」という夢。

ストレスは、足元に迫ってくる毒の沼の様な水面から梯子を伝って逃げ続ける夢。

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曲も鬱屈としていて、確実に辛い様子がわかります。

 

過去は、流れてくる写真(チェキ?)をライターで燃やすという夢。

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個人的にチェキ撮るのを最近始めてハマっていて、彼女氏と遊びにいくとお互い写真をたくさん撮る事が好きなのでこの面は辛かったです。

フィルムだって結構高いのに…うわぁワイドチェキだ…思い出が…とかぶつぶつ言いながら遊びました。

チェキに限らず、写真を燃やす事って復元出来ない場合もあるので、相当忘れたいんだ…と思います。

 

この2つはおそらく、このパーカーのお兄さんに起きた現実の辛い出来事を反映しているのだと思うのですが、もう2つある夢は、明るく可愛い内容。

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「欲求」ではクレーンゲームで様々なものを掴み取る夢。

「未来」ではシューティングゲームで遊ぶ夢。

 

この2つですが、この面が「逃げたい事」「忘れたい事」などのマイナス的な出来事だとしたらば。

一見可愛く見えても、マイナスなのだとしたらどうだろうと考えてみます。

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クレーンゲームでは家や宝石、お金などの「価値のあるもの」を掴んでゆきます。

当然クレーンゲームなので、掴めない事もあります。

そこから飛躍して思うに、「掴もうとして掴めなかった」という事実を反芻して、この夢になっているのではないか。

ちなみにこの前の面でお金は別の夢として出てきます。

 

個人的には「家」(一軒家)が景品で出てくるのが興味深く、新しく家を手に入れるという事って相当な人生の出来事かと思います。大きい買い物ですし。

 

でも今住んでいる家を出て、明らかに今のお兄さんの家より広い建物の家を手に入れたい、と思う事って相当ですよね。

 

(ちょっと飛躍すぎかもしれませんが)

この相当な出来事に値する、つまり誰かと一緒に住む様な事を、このお兄さんは考えていた可能性がある様に思います。

 

その前の前提として、前の面にある「デート(日本語訳で恋愛関係)」の夢では出会い系アプリを使っている事もわかります。つまり、彼女/彼氏/恋人/などがこのお兄さんには存在したのかもしれない。少なくともお兄さんの中にこれらの存在について考えていた時間があるという事です。

 

これを踏まえて、過去の夢で写真を燃やしている状態というのは、誰か(=恋人)との思い出を消したいという事なのではないでしょうか。

それも、このスマホ社会で写真の保存はデジタル形式である事がほとんどの中で、わざわざ現像されたフィルムの形式で取ってある写真を、そこまでした思い出の物を消し去りたい。

(思い出を分かりやすく概念化してる可能性はありますが…)

 

という事は、お兄さんは恋人と別れてしまったのではないかと推測します。

今回の考察は、この恋人と別れた状態というのを前提にして考えてゆきたいと思います。

 

シューティングゲームの「未来」はどうゆう意味か。

忘れたい出来事なのだとしたら、恋人とお兄さんが、一緒に考えていた「未来」を忘れたいのかなと思います。

前の面でVRシューティングゲームをしていたお兄さんなので、おそらくゲームを遊ぶのは趣味かと思います。

なので、その恋人ともゲームをした「思い出」が存在するのではないか。

それを消したい・忘れたいという事実から、敵を撃っていくゲームに夢がなっているのではないでしょうか。

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こう考えると、第4夜は「忘れたい事」についての夢なのかと結論付けられそうです。

 

 

 

そして、第3夜ではヨガをしているお兄さんの夢という形式でゲームが進みます。

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なぜヨガをしようと思ったのか。

たくさん小さな植物を並べ、アロマデュフューザーも置いてあるのを思うに、精神統一がしたかったのではないかと思います。ヨガにはその効果もあります。

乱れた気持ちを落ち着けたい。そんな様子があったのではないでしょうか。

この乱れた気持ちも、恋人と別れたショックが理由だとしたら。

色々な事を試して、早く忘れようとしたかったのかもしれません。

 

恐らく、精神統一をしてる間に壮大な事を考えようとしてたのでしょうか。その結果が「時間」「心」「宇宙」「自然」というアバウトな内容の夢になっているのでしょう。

 

 

 

第2夜では、仕事途中に寝落ちしているお兄さんの夢になります。

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そもそもその体勢では寝落ちるだろうよ。

 

ここで既に、ソファの周りにたくさんのコーヒーを飲んだ跡があります。

先のカフェイン中毒でも言いましたが、これぐらいの量のコーヒーを仮に全部飲んでいたとしたら、結構な量になるかと思います。

この時点でかなり逃げたい出来事なのが伺えます。

 

私個人的な話ですが、前のブログでもお話している双極性障害という精神障害が酷く出た最初の時、鬱状態になっていても仕事はずっと続けていて辞める、休むという思考は当初全くありませんでした。

というのと、鬱で落ち込んでいても仕事を忙しくやっていたらそんな事も忘れられるという、今思えば余計に鬱ループになる状態でした。

このお兄さんも強いストレス=恋人との別れがあったとしたら。仕事を続けて夜もやっていれば、辛い事も忘れられていたのかもしれません。

 

 ちなみにソファの上にあるカレンダーに、丸が付いている日がありますが、まだ締切まで1週間以上はありそうです。

少しでも進めたい仕事なのかもしれませんが、普通こんな深夜まで残業してまで進めないとならない事態って、もう少し締切まで切羽詰まった頃の様に思います。

(これは仕事内容で全く違うので完璧に妄想です)

なので、急を要する訳ではないけど、嫌な事を忘れられるから仕事をしている、という感じかと思います。

 

ぶっちゃけここまで来てたらかなり辛いと思うので、この時点で眠れない事/寝たくない事について病院とか行っても良かったんじゃないか…とも思いますが。皆様どう思われてるでしょうか。尺度がちょっと分からないです。

 

第2夜のここで登場する夢は「エクササイズ」「仕事」「お金」「恋愛関係」です。

これらに共通するのは「やっていれば辛い事を忘れられるもの」という感じでしょうか。

それか単純に「楽しかった事」「理想」かもしれません。

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最後に第1夜、ここは色々なものを食べながらスマホをいじってたら寝落ちしている夢です。

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そのせいか、基本的な欲求の夢に近いかと思います。

「食べ物」「ショッピング」「テクノロジー」「フォロワー」という夢ですが、食欲、物欲(支配欲にも近いかも)、自己実現欲求、承認欲求という感じでしょうか。

これらが、お兄さんが恋人と別れた前提で考えるとつまり、食べて忘れよう、何か新しい物を買って忘れよう、遊んで忘れよう、認めて貰って忘れようという感じになります。

最初は基本的な事をしてみていたのかもしれません。

それがエスカレートして、最後のあの大量のカフェイン摂取に繋がっているのでしょう。

 

 

それでも忘れられない存在って、相当、このお兄さんは恋人の事が好きだったのでしょう。

まぁどんな恋愛でも別れたら辛いものですし、失恋は中々癒えない傷になります。

(私も昔そうでした)

 

お兄さんが仕事をしているというのを踏まえると、歳は20代後半か30代ぐらいでしょうか。

そのくらいの年代の恋愛となると、先に述べた将来(引っ越したり家を買ったり)という事の未来を考えていたというのも納得いきます。

結婚も考えていたかもしれません。

若い人の恋愛と比べるのは違うかもしれませんが、色々将来を考えていたその分ダメージが大きかったかもしれませんね。

 

ここで基本的な事に立ち返ってみますと、このお兄さんは「眠りたくない」という状態が成立しています。

最初の頃こそなんとなくダラダラ起きている感じもありましたが、段々とコーヒーを大量に飲んだりと、明らかに眠るという事に対して反抗していると思います。

というのを第4夜で出した仮説の恋人と別れた事実があるとしたら、「眠る事が怖い」=「眠ると恋人を思い出してしまう」「夢を見たくない」という事態なのかもしれません。

 

しかし、この寝落ちしている状態というのは睡眠がおおむね浅い状態にあります。

なのでその状態では夢を見やすいので、お兄さんが色々眠ることに抗ってたのはある意味逆効果かもしれません。

 

このゲームのタイトルの「MELATONIN」も睡眠ホルモンであるように、眠る事についてがテーマなのは明確ですが、最後のチャプターは「朝」であり、これは誰にも平等に訪れる事です。

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このお兄さんも、朝でうとうと眠り、目が覚めた所でゲームは終わりました。

この時に印象的なのが、隣の部屋から差している日差し=光です。

今までのチャプターでは夜中にアラームやテレビの音などで起きていたので、朝についての描写はありませんでした。

このお兄さんにも朝が訪れている様に、必ず光は差すものである。という事の比喩表現にも思える終わり方です。

 

これは想像ですが、この朝を迎えたお兄さんは「自分何してたんだろう」と我に帰っている様に私は思いました。

 

最後のチャプターは今まで全てのリズムゲームのリミックスなので、全て振り返る内容です。

それが、今までの全ては無駄じゃない。忘れたくても忘れられないのは、それが自分の「経験」になって強くなる事だから。

(ゲームとしても出来なかった面が出来る様になったりと強くなる事があります)

 

そんなメッセージすらある様に感じました。

なので、つまり失恋の傷もいつかは癒えるよというメッセージも込められている様にも捉えられます。

 

 

ちょっと余談ですが。私の持っている精神障害も、鬱状態では過睡眠になりやすく昼夜逆転しやすいので、朝が来ると割と辛い事の方が多いです。

そもそもものすごい夜型なので朝に弱く、酷いときは朝=絶望感の訪れ、という時もよくあります。前にお話した、眠れず朝になってしまった時も同様の事があります。

それがエスカレートして、眠る事自体が怖い時も、私も確かにありました。なのでお兄さんの気持ちは少し分かる様に思っています。

 

それでも、睡眠薬などの治療をして、きちんと夜に眠り朝に起きる、という生活に戻す事も可能です。

なので、眠る事は怖くないよ。というメッセージ性もある様に、私は感じました。

このメラトニンによって、プレイした人が良く眠れます様に。という優しい気持ちがあったら、それは素敵だと思います。

 

 

ぶっちゃけ「作者もそこまで考えてないと思うよ」はめちゃくちゃあると思います。

だってこれら全て妄想でしかありませんから。

 

それでも、考察癖のある私にとっては、非常に楽しい題材でした。

ストーリーに言葉のないゲームは、こうゆう事ができるので楽しいですね。

素敵なチルい曲を楽しみながら、ぜひ皆様にも遊んでもらいたいです。

 

 

 

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